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1.アメリカの経済指標1・雇用に関する指標

◎雇用統計

『雇用統計』という単語で一括りにされることが多いのですが、非農業部門雇用者数、失業率、
小売業就業者数、製造業就業者数、賃金インフレ率などなど、多くの雇用に関する統計をまとめて
『雇用統計』といいます。ただし、市場で特に注目されるのは、非農業部門雇用者数、失業率の2つになります。


◎非農業部門雇用者数

発表機関:米労働省
発表日時:月初めの第一金曜日

農業以外の分野に、どの程度就職しているのかを表します。これは事業所の給与の支払い帳簿を元に調べられます。前月と比べて人数が減った、増えたで判断をします。減っていれば仕事に就ける人が減ってきてしまっているということなので、景気の減速でドル安。逆に増えていれば職につける人が増えているということなので、景気の良好でドル高。となりやすいです。アメリカは消費大国なので「失業者が多い=賃金が貰えないので消費が抑えられる=景気が悪くなる」と見られます。
○失業率

発表機関:米労働省
発表日時:月初めの第一金曜日

「失業者÷労働力人口×100」で定義されています。若干、景気に遅行するので非農業就業者数の方が重要視されやすいです。失業率の増加は景気悪化でドル安。減少は景気好況でドル高とシンプルに捉えます。
これ以外には、雇用に関する指標(雇用統計ではないもの)は以下のようなものがあります。
△ADP雇用指数

発表機関:米給与計算サービス会社オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)
発表日時:雇用統計が発表される2営業日前
2006年5月から発表されるようになった指標です。ADPという大手給与計算代行会社が独自に出しています。非農業部門雇用者数の先行指数として注目されています。ただ、実際には相関はあまり強くありません。しかし非農業部門雇用者数が、市場予想平均より多いか少ないかを見る目安になるため、市場参加者に注目されやすくなっています。
△新規失業保険申請件数

発表機関:米労働省
発表日時:毎週木曜日 21:30
1週間の間に新しく失業保険を申請した人数です。失業率同様、雇用の状態を見ることができるので注目されます。雇用に注目が集まっているときには、俄然重要度が増してきます。毎週発表されますので、その推移を細かく見ていきたい指標です。これも基本は申請者が増えればドル安、少なくなればドル高と見ます。

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