魔術師たちの心理学 ― トレードで生計を立てる秘訣と心構え

本書は全13章の構成ですが、タイトルに出てくる『心理』については、パート１にあたる1章から3章のみで、文章量で見ると全体のうちの6分の1程度です。

心理面についてとにかく深く読み込みたいと思っている方にとっては、ちょっと期待外れに感じるかもしれません。
ただ、著者が文中で書いているのですが、「パート１は、投資の成功を左右する最重要部分である（P7）」、「わたしは、かねてから売買は100％心理だと信じている
〜中略〜
何であれ行動を起こすには脳で情報を処理しなければならない。(P40)」としており、量は少ないながらも、著者もその重要性を訴えていることがわかります。
量より質と考えてもらって間違いないと思います。

また、本書が優れている点は、パート１で心理面のポイントをしっかりと覚えた上で、更に具体的なトレード方法にも触れていることです。
実際の売買においての仕掛けのタイミングの見つけ方や実際の仕掛け方、利食いや損切りの方法、ポジションサイズについての考察など、
売買をする上での方法論が一通り網羅されています。後半以降はシステムトレード的な要素が強くなっていきますが、
裁量トレードでも利食いや損切りの手法などは流用が可能です。

全体的にやや難しい内容かもしれませんが、しっかりと読み込めば投資レベルが上がったことを多くの方が実感できるのではないでしょうか。

魔術師たちの心理学 ― トレードで生計を立てる秘訣と心構え

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