国 |
指標名 |
発表日 |
重要度 |
解説 |
アメリカ |
非農業部門雇用者数 |
毎月第一金曜日 |
★★ |
雇用統計指標の一つで、非農業部門に従事している就業者の数を表します。給与を支払われている人を対照にしているため、経営者や自営業者は含まれません。経済政策を決定付ける要因となることが多いため、市場からの関心も非常に高くなっています。
その結果、指標内容によっては、相場が大きく変動することも大変多いです。経済指標の中でもっとも注目されているもののうちの一つともいわれています。発表後の動きは、予想より人数が多ければ、雇用環境が改善していると見られてドル高へ、反対に予想より少なければドル安となることが、基本的な反応です。 / 【TOPに戻る】 |
アメリカ |
失業率 |
毎月第一金曜日 |
★★ |
雇用統計指標のうちの一つ。非農業部門雇用者数変化と同様に、非常に注目されています。失業率の定義は「失業者÷労働力人口×100」となっています。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断する際の一指標となっていることも、重要度が高くなる要因です。
なお、失業者の定義は「希望している人数」のため、雇用を希望する人が増えると、失業率が高まるという傾向も見られます。そのため、失業率は景気に対しての『遅行指標』 ともいわれおり、他の指標との総合判断が必要となります。
発表後の動きは、予想より失業率が低ければ、雇用環境が改善していると見られてドル高へ、反対に予想より高ければドル安となることが、基本的な反応です。 / 【TOPに戻る】 |
アメリカ |
ISM製造業景況指数 |
毎月第一営業日 |
★★ |
この指標は Institute for Supply Management = 全米供給管理協会が毎月発表している、米国製造業の景況感を表す指数です。アンケート結果をまとめたもので、アンケートは「良くなっている」「同じ」「悪くなっている」の三択となっています。この指標は景気転換の先行指標ということもあり、製造業の指標の中でも、かなり注目度が高いものとなっています。
この指標は50を上回っていると景気が拡大、50を割り込むと景気後退といわれます。
予想より強い、弱いということももちろん注目されますが、この50という数字もかなり重要になってきます。数字が多い方が強く、少ないほうが弱いということですから、予想より大きければドル高へ、反対に予想より少なければドル安となることが、基本的な反応です。 / 【TOPに戻る】 |
アメリカ |
ISM非製造業景況指数 |
毎月第三営業日 |
★★ |
この指標は Institute for Supply Management = 全米供給管理協会が毎月発表している、米国非製造業(サービス業)の景況感を表す指数です。アンケート結果をまとめたもので、アンケートは「良くなっている」「同じ」「悪くなっている」の三択となっています。この指標は景気転換の先行指標ということもあり、非製造業の指標の中でも、かなり注目度が高いものとなっています。
この指標は50を上回っていると景気が拡大、50を割り込むと景気後退といわれます。予想より強い、弱いということももちろん注目されますが、この50という数字もかなり重要になってきます。数字が多い方が強く、少ないほうが弱いということですから、予想より大きければドル高へ、反対に予想より少なければドル安となることが、基本的な反応です。ISM製造業景況指数と基本的には同じ見方をします。 / 【TOPに戻る】 |
アメリカ |
小売売上高 |
毎月15日前後 |
★★ |
アメリカのGDPは約7割が個人消費と言われています。そのため、個人の消費動向が経済を見通す上でも非常に重要になってきます。この指標は個人消費全体の傾向を早くするうえで役に立つため、非常に注目度が高くなっているのです。
この指標は百貨店や総合スーパーの売上などのサンプル調査をもとに公表されています。また、内訳を確認すると自動車の占める割合が多いため、自動車を除く小売売上高も併せて注目されることが多くなっています。相場の反応ですが、予想よりも大きい数字となれば、小売がしっかりしている=アメリカ経済はしっかりしていると見られて、ドル買い。反対に予想よりも小さい数字の場合はドル売りになる。というのが基本的な反応となっています。 / 【TOPに戻る】 |
アメリカ |
消費者物価指数(CPI) |
毎月15日前後 |
★★ |
米消費者物価指数はCPIとも呼ばれ、毎月15日前後に米労働省統計局から発表される経済指標となります。消費者が購入する商品やサービスの価格の変化を指数にしたものです。そして、アメリカのインフレに関する最も重要な指標の一つといっても過言ではありません。金融政策への影響度が大きいことも、この指標の注目度を高めています。
同様の指標に生産者物価指数(PPI)というものもありますが、より生活に密着した指数であるCPIのほうが注目されることが多いようです。なお、もっともベーシックな反応は、CPIが上昇すれば金融引き締め(利上げ)が行われる可能性が高いと見られてドル買い、CPIが下落すれば金融緩和(利下げ)が行われる可能性が高いと見られてドル売りとなります。 / 【TOPに戻る】 |
アメリカ |
卸売物価指数(PPI) |
毎月15日前後 |
★★ |
卸売物価指数はアメリカ国内の販売業者から、商品販売価格を調査し、出荷時点での価格変動を指数化したものです。消費者物価指数(CPI)と同様、インフレに関する指標となっています。特に注目されることが多いのは、変動の大きい食品・エネルギーを除いたコア指数です。アメリカの中央銀行にあたるFRBもコアPPIを重視しているようです。
CPIとの違いですが、物価は「原材料→中間財→最終財→消費者価格」と変化するため、PPIはCPIの先行指標的な見方がされることもあります。なお、もっともベーシックな反応は、PPIが上昇すれば金融引き締め(利上げ)が行われる可能性が高いと見られてドル買い、PPIが下落すれば金融緩和(利下げ)が行われる可能性が高いと見られてドル売りとなります。 / 【TOPに戻る】 |
アメリカ |
中古住宅販売件数 |
毎月25日前後 |
★ |
中古住宅販売件数は所有権の移転が当該月に完了した中古住宅の販売件数のこととなっています。少し難しい言い方ですが、中古住宅購入に関して、住宅が購入者のものになったことがはっきりしているもの(所有権が移転したもの)のみを、カウントしているものになります。というのも類似の指標に新築住宅販売件数というものがありますが、こちらは契約書への署名ベースのため、中古住宅販売件数のほうが30日から60日程度、時期がずれる(遅くなる)のです。
住宅指標が経済指標の中でも重要度が高くなるのは、住宅需要は建設資材や家具、家電製品などへの需要の波及効果が大きいことが影響しています。基本的なマーケットの反応は、予想より販売件数が多ければ、住宅市場は好調と見られてドル買い、予想より販売件数が少なければ、住宅市場は不調と見られてドル売りとなります。 / 【TOPに戻る】 |
アメリカ |
新築住宅販売件数 |
毎月24日以降 |
★ |
新築住宅販売件数は、前月の28日から当月4日までに販売された新築住宅の件数となり、米商務省から発表されます。景気変動に対して先行性が高いと言われている指標であること、将来の住宅建設動向を判断する材料にもなることから、市場の注目度は高いものとなっています。
アメリカでは中古市場のほうが規模が大きいため、中古住宅販売件数がより重要との声もありますが、先行性は新築住宅販売件数のほうが強いため、どちらも注目しておく必要があるでしょう。マーケットの反応は、予想より販売件数が多ければ、住宅市場は好調と見られてドル買い、予想より販売件数が少なければ、住宅市場は不調と見られてドル売りとなるのが、基本的な動きとなっています。 / 【TOPに戻る】 |
アメリカ |
住宅着工件数 |
毎月第3週 |
★ |
米商務省が発表する指標で、その月に米国内で住宅着工が始まった件数を示しています。この数値は公共住宅は含みません。米国の住宅指標には新築住宅販売件数がありますが、売られる前に作られた住宅の数のため、新築住宅販売件数よりも先行する指標と言えます。
『○月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で○万戸』という形で発表されること、前月比も同時に伝えられることも特徴です。また、住宅関連指標は天候の影響を受けるため、3ヶ月程度の平均をとって、傾向を確認することも重要となります。マーケットの反応は、予想より住宅着工件数が多ければ、住宅市場は好調と見られてドル買い、予想より住宅着工件数が少なければ、住宅市場は不調と見られてドル売りとなるのが、基本的な動きとなっています。 / 【TOPに戻る】 |
アメリカ |
建設許可件数 |
毎月第3週 |
★ |
米商務省が発表する指標で、住宅の着工前に必要である、地方自治体などへの許可申請件数となっています。許可されたものの約98%が実際に着工に移っていることから、住宅着工件数の先行指標として注目されています。『○月の建設許可件数(季節調整済み)は年率換算で○万戸』という形で発表されること、前月比も同時に伝えられることも特徴です。
また、住宅着工件数同様、建設許可件数など住宅関連指標は天候の影響を受けるため、3ヶ月程度の平均をとって、傾向を確認することも重要となります。マーケットの反応は、予想より建設許可件数が多ければ、住宅市場は好調と見られてドル買い、予想より建設許可件数が少なければ、住宅市場は不調と見られてドル売りとなるのが、基本的な動きとなっています。 / 【TOPに戻る】 |
アメリカ |
鉱工業生産指数 |
毎月14-17日頃 |
★ |
鉱業または製造業に属している、鉱工業企業の生産動向を指数にして表したものとなっています。2002年を100として比較して指数で表示されるのですが、前月比でどの程度増減したのかに注目します。GDPは四半期ごとの発表になりますが、この鉱工業生産指数は毎月発表されますから、景気動向を把握する上で速報性が高い指標と考えられています。
GDPにおける鉱工業部門の割合は2割程度となり、7割を占めると言われる個人消費に比べるとシェアは小さいのですが、経済全体に及ぼす影響も大きいということで重視されています。マーケットの反応は、予想より鉱工業生産指数が強ければ、米経済は好調と見られてドル買い、予想より鉱工業生産指数が弱ければ、米経済は不調と見られてドル売りとなるのが、基本的な動きとなっています。 / 【TOPに戻る】 |
アメリカ |
GDP |
毎月下旬 |
★★ |
一定期間内でその国で生産された財・サービスの付加価値の総額となります。国内全体の生産活動の状況がわかる経済指標ですので、GDPの伸び率を確認すれば、経済活動が順調か、不調かがわかります。アメリカの場合は、4月、7月、10月、1月に前期分の速報値が、5月、8月、11月、2月に前期分の改定値が、6月、9月、12月、3月に前期分の確定値がそれぞれ発表され、もっとも注目されるのは速報値となっています。
また名目GDPと実質GDPとがありますが、実質は名目GDPから物価変動の影響を取り除いたものであり、実質GDPがより重要視されます。マーケットの反応は、予想よりGDPが強ければ、米経済は好調と見られてドル買い、予想よりGDPが弱ければ、米経済は不調と見られてドル売りとなるのが、基本的な動きとなっています。 / 【TOPに戻る】 |
アメリカ |
貿易収支 |
毎月10日頃 |
★ |
この指標は、政府・民間が行った財の輸出金額と輸入金額の差を示す統計となっています。輸出は資金の受取り、輸入は資金の支払いとなります。ですから、輸出金額の方が大きければ貿易黒字、反対のときは貿易赤字となるわけです。国の収支には経常収支と財政収支があり、貿易収支は経常収支の中の一項目となっています。
常日頃から注目度が高い指標というわけではないのですが、貿易収支と財政収支が揃って赤字になっている、いわゆる「双子の赤字」にマーケットが注目しているときは、貿易収支によって相場が動くことが多くなってきます。この場合、貿易収支が予想よりも大きければ、赤字が広がらないということでドル買い、反対に貿易収支が予想よりも小さければ、赤字が広がるとしてドル売りが進み安くなる。というのが、為替相場の基本的な反応となっています。 / 【TOPに戻る】 |
アメリカ |
対米証券投資 |
毎月15日頃 |
★ |
米国に流入する資本の額を表す指標、それが対米証券投資です。この指標がプラスになっていれば、米国に資本が流入している(米国への投資が活発に行われている)としてドル買いになりやすく、反対にマイナスであれば、米国から資本が流出しているためにドル安になりやすくなります。なお、この指標は2ヶ月遅れで発表されているために、速報性、即時性は乏しいといわれています。ですから、この指標でもって単純にトレンドが出来るような動きにはなりにくいようです。
ただ、対米証券投資の傾向を確認すると、米国への投資が活発になっているのか、衰退しているのかが見えてきますから、どちらかといえば中長期的な見通しを立てる上で重要な指標であるということが言えるのではないでしょうか。 |
アメリカ |
耐久財受注 |
毎月25日頃 |
★ |
そもそも耐久財とは、耐久年数3年以上の消費財であり、自動車、航空機、家具や家電製品などを指しています。この指標は米国内におけるこれら耐久財の新規受注額を集計したものなっています。受注があれば当然、製造業などは稼働率が良くなります。そのため、先行指標としての意味合いが強いとして、市場では注目されることとなっています。
発表の仕方としては、前月比で何%増減したのかが伝えられす。もっともこの指標はブレが大きいとも言われるため、発表の数字を鵜呑みにせず、傾向をしっかりと確認したほうがいいでしょう。耐久財受注が予想より強ければ、米製造業は好調と見られてドル買い、反対に予想より弱ければ、不調と見られてドル売りにあるのが、基本的なマーケットの反応です。 / 【TOPに戻る】 |
アメリカ |
新規失業保険申請件数 |
毎週木曜日 |
★ |
この指標は毎週木曜日に発表される経済指標となっています。米国内において、失業保険を新規に申請した人が増えたか、減ったかに注目した指標です。一つの判断材料として、40万人を超えたか、否かに注目します。40万人を超えると、雇用状況がかなりは悪いと判断されるからです。また、毎週発表されるために、結果が非常に景気動向に敏感に反応するのですが、反面ブレやすいというデメリットもあります。そのため、4−5週間程度の平均をとり、雇用環境の動向把握に用いられることも多いです。雇用指標のため、毎月第一金曜日に発表される雇用統計のコンセンサスを形成することにも用いられます。この指標は予想より強ければドル買い、弱ければドル売りになるのが、基本的は反応です。 / 【TOPに戻る】 |
アメリカ |
フィラデルフィア
連銀製造業景気指数 |
毎月第三木曜日 |
★ |
この指標は全米の指標というわけではなく、12ある地区連邦銀行の1つ、フィラデルフィア連銀が管轄している、ペンシルバニア州、ニュージャージー州、デラウエア州に関する、製造業の経済活動・景況の状況を、指数化したものとなります。
アンケートの仕方はISM指数に似ていて、6ヶ月後の期待を「良い」「同じ」「悪い」の3つで選択肢、指数にしていくものとなっています。全米の指標ではありませんが、3つの州の状況がわかるため、ISM指数との相関性が高いとして注目されることが多くなっています。相場の反応としては、フィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想より強ければ、米製造業は好調と見られてドル買い、反対に予想より弱ければ、米製造業は不調と見られてドル売りというのが、基本的な動きになります。
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アメリカ |
ニューヨーク連銀
製造業景気指数 |
毎月15日 |
★ |
アメリカでは12の地区連邦銀行がありますが、この指標はニューヨーク連銀が管轄しているニューヨーク州のみの、製造業の経済活動状況や景況感やなどを指数化したものとなります。アンケートの仕方はISM指数、フィラデルフィア連銀指数と似ており、1ヶ月前との比較と、6ヶ月後の期待を「良い」「同じ」「悪い」の3つで選択します。
ISM指数は全米、フィラデルフィア連銀指数は3つの州、当指標は1つの州となるため、重要度もISM指数>フィラデルフィア連銀指数>ニューヨーク連銀指数となります。ただ、3つの指標は相関性があるため、比較的注目されることが多いです。相場の反応としては、当指標が予想より強ければ、米製造業は好調と見られてドル買い、反対に予想より弱ければ、米製造業は不調と見られてドル売りというのが、基本的な動きになります。
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アメリカ |
消費者信頼感指数
(コンファレンス・ボード) |
毎月25-月末 |
★ |
これはコンファレンスボード(全米産業審議委員会)と呼ばれる民間の調査機関が発表している、消費マインドに関する経済指標です。5000人の消費者にアンケート調査を行って、現在と半年後の景況感、雇用状況、所得などを、「楽観か悲観」で集計しています。同様の指標にミシガン大消費者信頼感指数がありますが、調査人数が当指標は5000人、ミシガン指数は500人のため、当指標のほうが信頼度は高いと言われています。
また、FRBのグリーンスパン元議長が注目していた指標ということで、重要視されている時期もありました。加えて、NYダウに対して、6ヶ月程度先行すると言われることもあります。相場の反応としては、当指標が予想より強ければ、米経済は好調と見られドル買い、反対に予想より弱ければ、米経済は不調と見られてドル売りというのが、基本的な動きになります。
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